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剣道とは何か 剣道の危険予防について 剣道の初歩知識 ~剣道のいろいろな教え~ 剣道の豆知識

剣道とは何か

剣道は長い歴史を持っています。そのため、真剣を持って生死を賭けての勝負、武士の芸ごとの一環となったり、人間育成の方法であったり、流派として発達したり、いろいろ変化をおこして今日に至っています。

そして剣道は老若男女問わず、そして、体力の強弱や体の大きさにあまり関係がない、つまり身体的な差がなくても行え、長く続けられる(一生できる)競技です。

では、そんな「剣道」とはどのような武道(スポーツor競技)なのでしょうか。そして、剣道の目的と効果はどのようなものでしょうか。ここではそれを一般的にいわれていることを簡単に説明したいと思います。

1.剣道の目的

2.剣道の効果
(1)精神的な効果
(2)身体的な効果
(3)社会的な効果
礼儀について


1.剣道の目的

剣道をやっている人は、それぞれ何かのきっかけや目的、目標があって、剣道を始めたと思います。そして、いまもその目的・目標に向かって努力していると思います。…といってもそれほど深く考えることはないかと思います。

「剣道のあの点が好きだからやりたい」
「剣道のこの点を好きになりたいからやりたい」

というところから始めて、

「うまくなりたい」
「皆勤賞をとりたい」
「強くなりたい」
「健康になりたい」
「ストレス解消にしたい」

など些細な目標や目的でも良いと思いますので、どのような目的・目標で剣道をしようとしているのか考えましょう。そして、そのような小さな目標をこつこつと積み重ねていくのが良いとおもいます。

そして、その次に 

・剣道の稽古は誰のためにやっているのか、
・剣道を続けていたら(自分が)どのようになるのか、

ということを考えて行きましょう。

でも、答は出しません。それは「答が無い」から、「答えが出しにくい」からです。でもあえて答えると、それを見つけること自体が「剣道の目的」かも知れません。

なお、一般的に考えられている目標・目的…例として、全日本剣道連盟では「剣道の理念(究極的な目的)」として次のように考えています。

「剣道とは、剣の理法の修練による人間形成の道である」

 つまり、剣道とは、剣道を行なうことにより人間が生まれながらにして持っている「すばらしい性格」を引き出し、それを磨き、鍛え、育てていくということです。 

それと同時に「剣道修錬(剣道を行っていく)の心がまえ」として、

「剣道を正しく真剣に学ぶことにより、心身を練磨し、旺盛なる気力を養い、剣道の特性を通じて、礼節を尊び、信義を重んじ、誠を尽くし、常に自己の修養に努める。以って国家社会を愛して広く人類の平和繁栄に寄与せんとするものである。」

と述べています。簡単に言うと、

剣道を正しく真剣に学ぶことにより、心や体を磨き、鍛え、元気な力を養い、剣道を通じて、礼儀と節度を尊重し、約束を破らない、人を裏切らない心を大切にし、誠意を尽くして、常に自分自身の向上のために努力し続ける。そして、全体的に国(=日本)を愛して広く人類の平和に貢献しよう、

ということです。(簡単に言っていないかもしれませんが…)

 でも、これは剣道という武道の究極的な目標として、また、スポーツとしての剣道の目的として考えられていることです。参考程度にして下さい。 また、剣道を行っていく心構えに「勝敗」はありません。本来の目的を外れ、剣道の目的を勝敗にさだめることは良くありません。剣道は勝ち負けへのその過程自体が目的かとおもいます。

2.剣道の効果

「剣道をやっていて、一体何になるのだろう?」と考えたりすることがあると思います。

私の場合は「剣道が好きだから気が休まる」ですが、「何になるかなんてどうでもいいんだ」「ただすっきりするから」などといっても全く構わないかと思います。

今からお話する効果というのは、剣道の稽古を続けることによってどのような影響・効果があるかという、今日まで様々に研究された結果のお話です。なので、人によっては違った結果が出ることがあるかもしれません。また、やる人がどのような態度で、どのような方法で、どのような指導者によっても差がでてきます。

でも、すべてにおいて大切な事は、「正しく真剣に学ぶ」という姿勢です。それさえ忘れなければ、効果などは忘れて、ただひたすら、一生懸命に剣道に打ち込むのが良いと思います。

剣道の稽古そのものが、集団で行う場合が多いので、先生や上手な人からの影響、下級生や下手な人からの影響、稽古の方法やきまり、試合のルールからの影響、それらの仲間・指導者・ルールから影響はうけます。それだけに多くの影響があり効果もあるわけです。

では、剣道の、精神的な効果、身体的な効果、社会的な効果にわけて考えて行きましょう。


(1)精神的な効果

1.努力と我慢(忍耐)の習慣がつきます。

剣道は理論より実行といわれています。こつこつと稽古を積み重ねることによって、少しずつ上達していくものです。しかも、その努力の積み重ねの途中には、つらい、苦しい、痛い、暑い、寒い、くさい(?)といったことがついてまわります。そのような、いやなことを我慢して、やめないで続けること自体が剣道の稽古ともいえます。

忍耐に忍耐を重ねての稽古での努力が、いつか必ず良い結果となって表れてきます。そしてそれが喜びとなり、自信となって、次の困難な問題に挑戦していける力となるのです。このくり返しによって、技術的にも精神的にも向上していくのです。これは剣道に限らない効果です。

それゆえ、体力が無いとか、運動神経が鈍いとかの理由であきらめないで、とにかく長く、出来るだけマイペースで続けることをお勧めします。(体力がない人も運動神経がない人も多いのですから)
それが、3年、5年、10年、20年経過すると、子供の時や初心者のころにあった劣等感などは忘れ、自信や剣道への楽しみが身についてきます。

実は、剣道大会に好成績を上げる人や、立派な指導者になられている方のお話や今までの経験を調べると、無器用だったり、常に劣等感を持っていたり、そんな人が立派な剣士に意外と(?)成長するそうです。

それは、努力と忍耐から生みだされているものなのです。言い方を変えれば、他のどのような能力(体力・スピード・運動神経など)が優れていても、忍耐と努力が不足していては剣道は発達しないといえるかもしれません。

2.集中力と決断力と自主性がつきます。

 剣道は常に1人でやるものです。ですから、自分自身という1人での戦いです。頼るものはいつも自分だけです。他の人に助けてもらうことは出来ません。試合中など絶体絶命の場に立っても自分の力で切り抜けなければなりません。

そのためには、「見る力」「判断する力」「実行する力」が必要になります。だから、稽古の時には常に神経を集中し、精神統一し、どのようなものも見逃さない、どのような音も聞き逃さない集中力を鍛える必要があるのです。

ですから、剣道を続けると、自主性が育ちます。但し、その自主性がどこかで間違ってしまいますと、「自分勝手で利己的な剣士が多い」などと、剣道以外のところ…人格から批判されることになります。
剣道をする者にとってこの点が欠点となりやすいそうです。「初心忘れべからず」…反省することを忘れず、本当の自主性とはどういうことなのかを考え続けていかなければならないのでしょうね。


(2)身体的な効果

1.正しい姿勢がつきます。

「剣道は姿勢から」と言われているほど、その姿勢(構え)は大切なものです。そして「正しく立派な姿勢」(自然体と言っています)というのは、きれいに美しく感じられる姿でなければなりません。きれいな良い姿勢は身体的にも正しいものですし、結果的に力強いものともなります。

そのため、剣道では基礎として正しい姿勢が必要です。剣道での姿勢は医学的にも正しい姿勢(だから自然体と呼ばれるのですね)であると証明されているそうです。長年剣道を していても姿勢の悪いのは、稽古や型に何かが欠け、剣道を正しく行っていないこととなります。

.敏しょう性がつきます。

 剣道の稽古は、打つ・突く・かわすという運動の連続です。これが技の中心です。するどい注意力観察力をもって、この稽古をくり返すわけですから、自然と身のこなしが素早くなり、早く正確な動作(技)が身についていきます。

.瞬発力がつきます。

 いつ・いかなる時でも、すぐに動作ができることをねらいに稽古しているので、瞬発的な行動をすることに慣れてきます。いつでも、どのようにでも、すぐに動くことのできる身体の状態が剣道の構えですから、日常においても、いざという時に瞬間的に、変化に応じた行動がとれるようになります。

4.持久力がつきます。

 筋肉や呼吸器系の持久力がつきます。ただし、力強い筋肉が発達するのではなく、細かいことが上手にできて、持久力がある「柔らかく長持ちする」筋肉ヘと発達していきます。


(3)社会的な効果

.相手を尊重し礼儀を尊重する態度が育ちます。

剣道は格闘技、つまり「剣術」から発達したもので、いまも闘争という形をとって行っているものです。しかし、それにこだわると勝敗を争うことだけになってしまったり、もっと悪い場合は暴力的な行動になってしまうのです。そうなると、剣道が人間を立派に育てていくという「人の道」の意味はなくなってしまいます。

 人々が、長い時間をかけて、闘いの手段「剣術」を人間形成の道「剣道」に作りあげたのです。教育として、武道として、スポーツとして、剣道を行うということは相手を尊重し、相手に礼を尽くして、剣を交えるところから成り立っているのですから、相手を打ちのめすだけでは昔の格闘技「剣術」のままで進歩したことにはなりません。

昔と違って、今は相手を認めてお互いの成長のために剣道があるのですから、相手に失礼な行動をしてはなりません。そのような点も努力するうちに、本能を調節するという能力が育っていくのです。

 また、剣道は「礼に始まり礼に終る」とよくいわれます。言われているその通りなのですが、その考えが行きすぎると、回りのことを気にしない勝手な行動となります。大きな声で挨拶をして、周りの人に威圧感や不愉快な思いを与えるようなのは礼ではありません。それは「失礼」で「無礼」なことなのです。

礼儀というのは自然ににじみ出てくる、相手を大事にする心の使い方なのです。

礼儀だけが目的のような剣道もまた本当の剣道とは言えません。剣道をする者は、本当の礼というものを考え、身につけていかなければなりません。

・礼儀について・・・

 

 一般に、礼とは「敬意を表すべき行為」として考えられています。それゆえ、礼儀とは人としてたしなむべき道=人道です。道徳面から見ても、精神的なものに重点がおかれ、心から表現された礼の道ということになります。 

 剣道では、相手と激しく打ち合うことからも、「道」を追い求める人間形成の原点としても、特に礼儀を重んじているのです。剣道では、相手に対する場合と自分自身に対する場合がありますが、相手に対しては、心から敬意を表し、尊重する心的表現として、自分に対しては、自分の良心を基本に、心を正しくしたり反省したりする内的な表れとなります。 

 このような礼儀は、初心者や子供にとっては難しいものです。そのため、まずは、「まね」から入って、それに心がついて行くように心がけるといいでしょう。目上の人に対する礼、友達への礼、そして自分に対する反省と良心に対する礼、また、道場や自分に関連する物に対する礼など、礼をきちんと指導したり把握することが大切かと思います。 

・武道はすべてに礼儀が必要です…

特に剣道などの武道は、先ほども記載しました「礼に始まり礼に終る」と言われるように、相手に対してはもちろん、規則をきちんと守る礼、正しい事を尊重し実行していく礼など、すべてが礼儀によって支えられていると言っても過言ではありません。

規則を正しく守ったり、相手を尊重するのでなければ、剣道は成り立たないのです。

「まね」から礼儀を学ぶきっかけを作るべきと書いてありますが、その例の表現が再び心に作用して、心を正していかなければならないのです。

心のない形のみの礼は、誤った礼となってしまうのです。すなわち、動作と心は、敬意を表し再び自分に作用して、正しい人格形成を目指す働きとなるわけです。

 そして、これが一番大切なことですが、剣道で学んだ礼儀が普段の生活に十分生かされ、心身ともに定着されることが、一番大切なことなのです。

2.責任感と協調性が育ちます。

剣道が自分自身との戦いであること、自主性が高められることは前のほうに書きました。しかし、悪い自主性ばかり育つと、協調性というのがなくなってきます。
剣道は自分にとっての問題が大きいのですが、仲間と一緒に稽古しているわけですから、自分勝手なことばかりしてはいけません。

自分の自由を保つために他に迷惑をかけてはいけません。

言い換えれば、他人の自由を奪ってはいけません。…ここに自主性と協調性の関係が出てきます。剣道というスポーツまたは武道を実際に稽古している間に、技術的・精神的なことばかりではなく社会的な行動のしかたを身につけて行かなければなりません。稽古のきまりを守ったり、仲間と協力して掃除をしたりしている間に、実は技術以上とも言えるくらい大切な「道=社会性(道徳観)」が育てられるのです。

 剣道の目的のところをもう一度読んでみて下さい。立派な人間を作ることを目的としているわけですから、ただ「強い」というだけでは何の価値もありません。人間として立派に成長しようという努力が無くなれば、剣道をやっている意味はなくなってしまうのです。仲間を大事にし、協力して真剣に稽古に取り組むようにいつも心がけましょう。そうしているうちに自然に道徳観が養われ、みんなの中の「私」、社会の中の一社会人としての考え方が身につくのです。

3.健康と安全に対する態度が育ちます。

この内容については、別のところで書いていますので、簡単に書きますが、剣道は相手も自分も安全に、そして健康を増すように稽古するのです。肉体的・精神的にある程度まで限界まで稽古を行い、限界を知って、限界を認識し、そしてそれに打ち勝ち、安全を認識することにより自分のものにし、さらなる限界を乗り越えていく力を身につけていくのです。剣道そのものが自分の身を守るという所から出発しているとも言えますから、健康・安全を保つことについて専門家と言えるのかもしれません。

一般の生活においても、安全に対する神経の使い方が上手になってくることにもつながります。用心深くもなりますし、いざという時の身のこなしにも優れてきます。不注意によって怪我をしたような時は、「修行が足らん」といわれてしまうかもしれません。修行が足りないわけではありませんが、少なくとも何かしらのミス、心のスキがあったことになります。やはり、「正しく真剣に学ぶ」という姿勢でちょっとのミスも許されないといった心づもりで、稽古をする努力をしなければならないでしょう。

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剣道の危険防止と予防について

頭頸部 84例(6.7%)
身幹 39例(3.1%)
上肢 310例(24.6%)
下肢 738例(58.6%)
その他 89例(7.1%)
総計 1260例
(出展:スポーツ等活動中の傷害調査、財団法人スポーツ安全協会、1999より引用)

 これは、スポーツ等活動中の傷害調査における剣道の傷害の部位を表したデータです。
 一般的にスポーツにおける事故の発生率は平均1%台とされ、剣道における事故発生率は0.2%と他のスポーツ(特にコンタクトスポーツと呼ばれるバレーボール(25690例)柔道(2280例))より低い状況となっています。しかし、剣道においての事故は下肢(下半身)の事例が半数を超えています。

そもそも、剣道を稽古していて、けがをしたり、病気になったりしては何にもなりません。 安全に稽古ができるためにはどのようなことを注意しなければならないのか。簡単にまとめました。

部活動の上級生や指導なさる方々はお分かりになっていると思いますが、ご参考までに ご一読いただければ幸いです。

安全に稽古するために

1.まじめに真剣に稽古すること

ふざけた態度、いいかげんな気分で稽古していると、稽古の効果が上がらないだけでなく、普段より疲れますし、思わぬ事故が発生します。

次にも書いてありますが特に竹刀をふざけて使うのは厳禁です。稽古は緊張して、気合を入れて、精一杯やることが大切です。

2.剣道具は整理整頓して、本来の目的で使用すること

凶器ともなる竹刀を使用している剣道は、それゆえに剣道具が壊れたときは、すぐに修理しなければなりません。最悪の場合、思わぬ怪我をしてしまいます。

現象としては、竹刀のささくれ()や破損、面紐や小手ひも、胴ひも、垂ひもがほどけたり切れたり、胴の乳皮が切れるということが考えられます。剣道具の整備には、念には念を入れて注意して取り扱いましょう。
またおもちゃのように剣道具を取り扱ってはいけません。剣道具はあなたを守る命綱としての「防具」です。「道具」ではありません。

特に剣道で心がけていただきたいのは、竹刀を杖代わりに使ったり、むやみに振り回さないことです。ささくれ()などをおこしたり、破損したりするどころか、相手に怪我をさせてしまいます。竹刀はある意味「凶器」にもなります。

竹刀は「竹刀」として使うものです。

稽古を始める前、稽古の途中、稽古後はかならず竹刀を点検する習慣をつけることが大切です。また、こわれたらすぐに交換できる竹刀を用意しておく必要もあります。したがって、竹刀を2本用意しておくのが良いでしょう。
また竹刀を人に貸したり、人から借りたりするのは良くありません。それは、竹刀は稽古や試合中に壊れやすいものですし、また、他人に適している竹刀はあなたにとって適した重量・長さとは限らないからです。

※ささくれ
→竹刀の竹の繊維が飛び出すこと。飛び出した繊維が面や床などに飛ぶことによって、目の怪我や足の怪我などを起こす危険性があります。

3.道場も整理整頓すること

道場の掃除等、整理整頓もかならず行なってください。掃除をするところから稽古に入っているのだという気持ちで、しっかりやりましょう。これは神聖な道場だからという訳ではありません。汚いと見た目も気分が悪いですし、整理整頓せず落ちているものなどで怪我をします。掃除をするだけではなく、まわりもきちんと整理整頓しましょう。
 ぶつかるようなものは片付けておき、思う存分稽古ができるようにしましょう。道場を大切にし、きれいにする心も剣道では大切です。

4.準備運動は必ず行うこと

剣道に限らず急に激しい運動をすることは良くありません。稽古そのものがだんだんと激しい稽古になるように心がけることが大切です。寒稽古や、起きてからあまり時間が経たないで行う早朝稽古などは、特に気をつけましょう。年齢差関係なく心臓発作による突然死などの悪影響が十分に考えられます。

 突然死の死因のほとんどは心臓疾患です。それを心臓突然死といい、その大部分は「心室細動」という病気となっております。(事前に判明できない突然死のため、「心室細動」による死者は、年間約5万人と推測されています)
 「心室細動」になると心臓がけいれんし、ポンプとしての役割が果たせず、助かるチャンスは1分経過するごとに約10%づつ失われ、10分後にはほとんどの人が死に至ります。ですので、若いからといって無関係とは決して思わないで下さい。

5.体に無理をさせず、能力や体力にあった稽古をすること 

無理な稽古は逆効果になるばかりでなく、けがや病気の原因になります。剣道は、道場の環境・防具の使用などで、熱中症が他のスポーツに比べ発生しやすく、事故が発生しやすい状態になっています。
 同じ場所で同じ時間にやる場合、技術の程度や体力の差、年齢差などによって稽古メニューを変えたり、グループわけをしたりする必要があります。前にも記載しましたが稽古の質・量は徐々に高めていくことが望ましく、すべての人が一斉に同じ稽古をするというのは好ましくありません。(合わせる場合はレベルの低い人にあわせる必要があります)

また、若い人は、栄養が十分にとれていて、睡眠時間が不足しなければ相当きつい稽古でも耐えられるものです。しかし、若い人でもこの2点をおろそかにすると稽古が続かない(耐えられない)ばかりか、集中力や気合が抜け、事故やけがの原因につながります。夏合宿・寒稽古・遠征などするときなどは、水分補給と万全な体調管理を行うなどしましょう。

6.医薬品の完備と救急法についての勉強をすること

 このことは指導する人に関わる話なのですが、知っているといいことですので、記載します。

 剣道における外傷の例としては、まめ・たこ・打撲・鼓膜裂傷・突き指・脳しんとう・肉ばなれ・筋断裂・アキレス腱断裂・骨折などです。簡単なものは、仲間達で手当てができるように、一通りの医薬品を薬箱などにそろえておく必要があります。また、これらの外傷に対するRICE(rest=局部安静、icing=冷やす、compression=圧迫を加える、elevation=高く上げておく)などの応急処置・救急法を勉強しておくことも大切です。(※最近ではこのようなことを消防署等で救急講習として無料でおこなっています)

また、最近では心臓発作による突然死(心室細動)に対応するため、除細動(心室細動の対策方法)ができる自動体外式除細動器(自動電気ショック発生器)の使用が普通の人でも認められるようになりました。

 しかし、手当てに迷うような時は、救急隊員や、医療機関などでの医師・看護師の診断が1番良いことです。その人たちの判断をできるだけ早く行い、大事にいたらないようにしましょう。

参考:スポーツ救急箱

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剣道の初歩知識 ~剣道のいろいろな教え~

剣道は、永い歴史を経て発展してきましたので、精神面や技術面に関連した様々な言葉による「教え」があります。

剣道をやっていくうえで、また剣道の向上の支えとして、参考にしてください。(順不同)

平常心

物事に対したとき、心が動転することなく、平素(普通)の心でこれに対処すること。 剣道は対人競技なので、相手によって、自分の動作を決めることが多いです。そのため、相手の動きにいちいち応じていたのでは、一本にはほど遠いですし、気が疲れるばかりです。平常心と変らない心がまえで相手に対することが、相手の動きがよく見え、最もよいとされます。

また、平常心は、人間本来の心の状態ということで、この状態が最も道理にかなっていることでもあるのです。

不動心

「不動心」とは、どのようを場合にのぞんでも心が動かされないことをいいます。 「平常心」と同じことです。いつもと違った状況となったとき、必ず心には変化が生じるものです。剣道の試合に出たときなど、特に平常心と違ってしまうものです。常に動揺しない心を鍛錬していこうとすることです。

無念無想

無念無想も、上の2つと同じような意味をもっています。何も念じない、何も思わない、何もとらわれないということです。「無念無想」でいたいと思っているだけでも、もはや無念無想ではない状態です。また、「「私は何も念じない」と思わない」と思っていても、「思わない」と思っているのですから無念無想ではありません。

ですが、分かりにくいので端的にいうと、自分自身に集中し、一生懸命やること、といえると思います。

残心・放心・止心

残心とは、剣道の相手に対する心がまえのことで、打突した後に心を残すことで、打突後も油断しないということです。
すなわち、なんでも、やった後まできちんと処置することで、やりっぱなしではいけないという教えでもあります。

放心とは、心をとき放すことで、一つのことに心をとらわれないことです。ちなみに、一般的には「ぼーっと」していることを指しますが、それとは違うものです。ご注意を。心が一つのことにとらわれず、自由自在の状態であれば、注意がすみずみまで行きわたり、どんな変化にも直ちに対処することができます。

止心とは、放心の逆で、心が一部分にのみ集中してしまい、全体が見えない、あるいは感じることができない状態で、相手の思わぬ動きに対して、自分の働きが鈍ってしまい、不覚な行動をとってしまいます。

これらのような心の状態にならないようにすることが大切です。

剣道四戒

剣道では、驚き、恐れ、疑い、惑う、心の状態を四戒と言っています。

驚きとは、急に予期しないことが起きて、心が動揺することです。 

恐れとは、恐怖であり、はなはだしい時は精神の働きが鈍り、身体が震えて、動きを失うことになります。

疑いとは、相手を見ても心が不安定で見定めることができず、心に決断のないことです。

惑うとは、心が迷うことで、精神は昏迷(こんめい)して敏速な判断や軽快な動作ができません。

これらはどれも心の悪い状態ですが、すべて自分自身の心が作り出すものなのですから、普段から心がけることが大切です。

守・破・離

 これは江戸時代の道場訓で、剣道における修行の段階をあらわしたことばで、人生の指針にもなっています。

 とは、師匠や親の教えを、ただ忠実に守って稽古に励み、修行することです。簡単にいうと「まもる」こと、「背かず従う」ことです。

 とは、今まで学んできた教えを十分体得し、自分のものにして、さらに深く進み、きわめ、新たな興味を持って、追求していく段階です。つまり、今まで先生や親の教えを守っていた段階よりも自分の力を身につけることで、「こわす」こと「やぶる」ことです。
 他のいろいろな教えも学べば、それだけ自分に力がついていくわけです。

 は、破の心境よりさらに進んだ段階で、内に秘められた力が充実し、「分かれ」「はなれ」「縁を切り」、心身ともに自由自在となり、創意工夫も生まれ、剣道家として一人前になっていく段階です。  よき先輩・よき先生を選び見つけ出し、それら師の教えに馬鹿になって従い一所懸命努力することによって、次の世界を開くことです。

 

「先んずれば人を制し、おくれれば人に制せらる」という言葉があるそうです。剣道では、自分が常に主動性をとり、心でも動作でも相手より先に技をしかけていくことが大切です。相手から先にしかけられますと、自分は受けに回ってしまい、不利な状況になってしまいます。

気 合

全身に充実した気力と、心とが一致した状態で、相手に少しでも隙が生じた時には、直ちに無心で打突することができる状態を言います。

長年の苦しい稽古を経てきますと、眼と心が明らかになり、心と気力が一致して、自然のうちにいろいろな高度な技や力が出てくるのです。

 

「そこだと言う、その字の頭を打ち、ここだと言う、この字の頭を打て」という言葉があるそうです。勘は言葉や教えだけで理解できるものではありません。稽古を重ねていくうちに感覚が集積され、その結果生まれた精神状態を言うのです。また、「稲妻のした瞬間に雷はすみ」と言われるように、勘が生ずれば、打つべき機会が鏡に映るように映じてくるものです。

正しくまじめに修業をつむことが、勘を生じる唯一の道です。

品 格 

気高さ、深い美しさのようなもの。

何事によらず、正しいこと、真剣であることは気高いもので、自我を離れて無念無想の境地に達した時ほど、気品のあるものはないと思われています。また、花の香りのように、その人の人格から自然に染み出すものが、本当の品格、本当の気品です。これは一朝一夕、すぐに身につくものではありません。

剣道でも、正しく、伸び伸びと、充実した気分で真剣に稽古を重ねることにより、次第に品格が付いてくると思います。

機 会

剣道では、稽古を重ねていくうちに、いつどこで打突したらよいのかが分かってきます。また、さらに稽古を重ねていくと、機会が勘によって分かるようになり、意識しないで思わず打突する技こそ、本当の技と言われています。

なんでも、行動しようとする機会はあるものです。適切に正しく、その機会をとらえるよう稽古することでしょう。

礼 儀

一般に、礼とは敬意を表すべき行為として考えられています。それゆえ、礼儀とは人としてたしなむべき道です。道徳面から見ても、精神的なものに重点がおかれ、心から表現された礼の道ということになります。

剣道では、相手と激しく打ち合うことからも、「道」を追い求める人間形成の原点としても、特に礼儀を重んじているのです。剣道では、相手に対する場合と自分自身に対する場合がありますが、相手に対しては、心から敬意を表し、尊重する心的表現として、自分に対しては、自分の良心を基本に、心を正しくしたり反省したりする内的な表れとなります。

このような礼儀は、初心者や子供にとっては難しいものです。そのため、まずは、「まね」から入って、それに心がついて行くように心がけましょう。

目上の人に対する礼、友達への礼、そして自分に対する反省と良心に対する礼、また、道場や自分に関連する物に対する礼など、礼をきちんと指導したり把握することが大切かと思います。

武道はすべてに礼儀

特に剣道などの武道は、先ほども記載しました「礼に始まり礼に終る」と言われるように、相手に対してはもちろん、規則をきちんと守る礼、正しい事を尊重し実行していく礼など、すべてが礼儀によって支えられていると言っても過言ではありません。

規則を正しく守ったり、相手を尊重するのでなければ、剣道は成り立たないのです。

前に、「まね」から礼儀を学ぶきっかけを作るべきと言いましたが、その例の表現が再び心に作用して、心を正していかなければならないのです。

心のない形のみの礼は、誤った礼となってしまうのです。すなわち、動作と心は、敬意を表し再び自分に作用して、正しい人格形成を目指す働きとなるわけです。

そして、これが一番大切なことですが、剣道で学んだ礼儀が普段の生活に十分生かされ、心身ともに定着されることが、一番大切なのです。

寒稽古

1月から2月あたりの早朝に行う稽古のことです。寒い時期の一番寒い時間帯を選んで行う稽古ともいえます。期間は高校や大学など1週間から20日間ぐらいが多いようです。

寒稽古の最大の目的は、悪条件の中での修行によって、自己の能力の限界に挑戦することといえます。技能の向上をめざすなら、最も良い条件で行うのが効果的なはずです。

あえて悪条件の中を選ぶというのは、技能の向上はもちろん、それ以上に精神修行をしているのです。身体的に、精神的に、どれだけ自分に力があるのかという事を知るためです。一人ではこのような厳しい修行はなかなかできませんので、仲間や先生・先輩と共に頑張るわけです。

そして、寒稽古を終えることができたときの感激が自信となって勉強や他のことにも良い影響を与えていくことになるのです。

ちなみに寒稽古を行うときには、睡眠と休養と栄養を十分にとるよう心がけなければなりません。

暑中稽古

寒稽古の寒さを暑さに置きかえたものです。別名、土用稽古とも呼ばれています。

暑さは、気持がしっかりしていれば相当レベルの高い技術的稽古も可能でじょうずに組み入れれば効果をあげることができます。

暑いと気持ちがゆるみがちですので、興味や集中力を失わないように稽古をすることが大切です。

ちなみに暑中稽古を行うときには、睡眠と休養と栄養を十分にとるよう心がけなければなりません。また、稽古中などに適度に水分を取る必要があります。

最後に ~いつでも対応できる剣道の教えに~

せっかく剣道をやっているのですから、これら剣道の教えを「剣道の世界」だけと考えてはいけないでしょう。勉強する時でも、友達と遊ぶ時でも、仕事をするときにも、いつでもどこでも適応できるものなのです。(だから、剣術ではなくて剣道なんですね)

 それは剣道が歴史上、生活に根ざして伝承され、生き続けてきた一つの文化財的な存在で、その要素の中には、生活や人生に対する教えが数多いのです。それも、古人たちが実際の経験を通して生まれた「教え」ですから、分かりやすく、実用的なのです。

…と、以上、主な剣道の教えをあげてきましたが、剣道を始めようとする時、また一生懸命に稽古している時、機会をとらえて考えてください。

そして共感して、一層剣道に励むようになれば幸いです。

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剣道の豆知識

試合場での観戦マナーについて

たまに問題になっているので、一筆…

1.会場内では写真撮影の際、絶対にフラッシュ禁止です。

口頭や掲示されていなくても、試合に影響を与えますので絶対にフラッシュ撮影は禁止です。特に最近では自動的にフラッシュするカメラが多い為、大会役員が困っていますが、なるべく切りましょう。

2.応援は拍手のみで。

これも最近、大会役員が困っているそうですが、父母や学生の方が応援席から「おーっ」「いけー」「がんばれー」とか掛け声が出るそうです。放送で注意を呼びかける場合がありますが、熱を帯びた応援で忘れてしまう場合があります。でも、フェアな試合を行うためには、応援する気持ちを手に込めて応援しましょう。

3.席取りはやめましょう。

大挙して応援するためには席の確保を…という気持ちはわかります。しかし、他のお客さんも同じ気持ちです。大会関係者以外の一般客は来ない、と思っていてはいけません。必要以外の席やOBOGのための席の確保はやめましょう。
また、OBOGの皆さんも「何だ席がないじゃないか!」と現役生をとがめることもしてはなりません。現役生は「試合をしに来ている」のですから…

道場の床をぴかぴかにする方法

 道場の床をぴかぴかにするには「ぬか雑巾」が良いらしいです。

 ぬかの油分が良いらしのです。提案した方は小学校の頃、使っていたそうなんです。「ぬか雑巾」は、古い手ぬぐいで袋を作ります。そこに「ぬか」を400g入れて、こぼれないようにしっかりミシンで縫います。皆さんもやってみてください。
ただ「ぬか」ですから、保管は風通しの良い所にしてください。

 雑巾ぶきすれば、足腰は丈夫になりますし、床もピカピカ!お試しあれ。

謎の柄、そして謎の花柄について

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剣道の竹刀を入れる袋には、この柄が描かれていますね。

この(花)柄の正体…それはたまにお風呂に入れる「菖蒲(あやめ=しょうぶ)」です。
「菖蒲(しょうぶ)」と、試合の「勝負(しょうぶ)」、稽古事の「尚武(しょうぶ)」(武道、軍事を重んずること)にかけて、勝負に勝つという縁起を担ぐ柄になっているそうです。

ただし、最近ではあまりこの柄を持つ竹刀袋や防具袋を持つ剣士を見かけませんが…

 
 

また、胴の色(胸部分)や手ぬぐい、刺繍色に、菖蒲色(上の色)を取り入れている道場や部もあります。
ちなみに私はこの色が好きです(^^)

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剣道写真の上手な撮り方

見本の写真

プロカメラマンのように、選手に出来るだけ近づき、高感度対応の一眼レフのカメラを使い、そして高速のシャッタースピードで撮れれば理想です。

しかし 、一眼レフは高いし扱いにくい。そもそも、素人でそんな装備を持っている人は…?そして、そんなに近距離で撮影できる(可能な)人は…??ですね。

そもそも剣道写真を撮るのには苦労する条件ばかりです。

・試合場と観客席は離れている
・会場内は絶対にフラッシュ禁止。
(口頭や掲示 されていなくても、試合に影響を与えますので絶対にフラッシュ撮影は禁止です)
・それなのに、会場内は薄暗いので感度不足に陥る。
・剣道の技は素早いので、技の瞬間を撮ろうとすればぶれが生じる。

 そのため、一般的なコンパクトデジカメでは撮ろうと思ってもシャッタースピードが遅く、フラッシュも焚けないでは失敗ばかり・・・となってしまいます。

写真集に掲載されている写真については、下記のスタイルを取っていますが、たまに失敗します。

1.デジタル一眼レフカメラで、しかも300ミリ(5倍ぐらい?)の望遠を使用。
なので、手ぶれがたいへん。(ただし、玉竜旗のばあいは試合場のそばまで行けたので望遠は余り使わなかったのですが)
2.フイルム時代はISO(感度単位)800のフィルム。現在はISO1600まで対応した安めのデジタル一眼レフ。高感度なので望遠・ノーフラッシュでも写るので重宝しています。
3、で、3脚。または1脚を使用。これだと望遠にしてもぶれにくい。
4,そのうえ手ぶれ防止機能を使用

で、剣道の撮影方法としてはどうすればいいのか?私なりの答えはこちらです。

1.
ISO400設定ぐらいなら立ち会いや、つばぜりあい中、試合前の状況などなら動かないので狙いやすく、こんな状況でも絵になる写真は撮れます。これらの写真をとるようにするのも一案だと思います。
実際、このサイト内で公開している私などが取った写真がは多いですよね。
技を決める瞬間を撮ろうとしたら室内でノーフラッシュでは私としても非常に辛いです。

2.
 少しでも良い写真を撮るためには、なるべくデジカメの設定は高感度(または自動感度)にしましょう。
 各デジカメの感度設定を出来る限り高めに設定するといいです。その際はノイズ除去の設定もお忘れ無く

3.
 三脚を使うのは理想です。(私は使っているのですが)立てるには狭い観客席では足が出せない事態もあります。
 そこで1脚はどうでしょう。
 1脚は単なる棒みたいな ものですが、3脚・1脚を使わないよりも手ぶれが少なくなります。

4.
 なるべく(試合に影響のない程度に)被写体の近くによって、望遠を使わない様にする。

5.
 シャッターを半押しにしてピントを合わせながらファインダーを覗きます。
 そのまま枠に入れて被写体を追って、シャッターチャンスを待つ。

…役に立つかどうか分かりませんが、ご参考にして見てください。

※デジカメ(デジタルカメラやデジタルビデオカメラの静止画機能)については、感度を自動調整する場合、このページの始めに載せている写真のように、ノーフラッシュでもきれいに撮れます。機種によっては1枚ごとに感度をお好みに調整できるものをあります。ただし、高感度になればなるほど画像は荒くなりますのでご注意ください。
 また、手振れ防止機能がついたデジカメもありますが、それでもより良い写真を撮るためには3脚などをご使用ください。(但し、3脚時に手ぶれ防止機能を外さなければならない機種もあります)  

また、デジカメの大半は「シャッターを押した瞬間」と「画像を記憶した瞬間」の時間がずれます。(ゼロコンマ数秒です)ですので、決定技を撮ったはずなのに実際の画像はその後の写真となっている場合もありますので、考慮に入れて撮影するといいと思います。長くなりましたが、剣道写真に限らず、室内写真のご参考にしてみて下さい。

あと、くれぐれも
写真をとることに熱中して、選手や観客には迷惑のかからないように…
(最近は自動的にフラッシュするカメラが多い為大会役員が困っているようです。フラッシュはご遠慮くださいね)

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